Apple Lifeline(iPhoneゲーム)
スマホゲームにはあまりのめり込んだりしない私ですが、新しいアイディアに挑戦しているなと感じたゲームがありましたので紹介してみます。
ライフライン(Lifeline)です。何が新しいのかというと、スマホのプッシュ通知を積極的に利用して、ゲームの主人公であるタイラーという学生からの連絡を受けつづけ、アドバイスをして彼が生き延びる手助けをする、というゲームシステムです。
彼は学生で、宇宙船に乗って研修に出たのですが、宇宙船の事故によりある衛星に不時着してしまいます。同乗していた乗組員はおらず、脱出ポッドに乗り込めたのはどうやら彼だけのようです。通信機器を使って誰かにつながらないか…… とトライした結果、あなたのスマホに彼の連絡が届きます。その後は彼の状況説明を聞きながら「どうしたらいいとおもう?」といったような相談に乗りつつストーリーは進みます(なぜあなたは公的機関に連絡して彼の救助を要請しないのでしょうか…… もちろんフィクションだからですね)。
LINEになじんでいる人には、このゲームシステムは友人からの連絡のように感じられるのかもしれません。残念ながら私はLINEをやらないので、そこのところはちょっと感覚が違うかもしれませんが、友人から連絡が来たら5分で返信したりしているスマホ中毒の方にははまりそうな仕組みです。
ちょっと残念だなと思うのは、文字だけのゲームなので、会話が冗長でツライと感じるところです。宇宙のどこかにある衛星が舞台なので、写真が使えないのは仕方ないですが、もう少しイラストを使った方が、演出としては面白かったと思います。30年くらい前にあったゲームブックでも、ところどころ挿絵くらいはあったものなのですが。また宇宙でなく地球上のどこかでストーリーを展開するならば、それらしい実写の写真を使って臨場感を出すことができたと思います。
彼が「じゃぁためしてみるよ」といった後は、しばらく音信不通になります。その間あなたは彼の無事を祈りつつ待つことになる…… のですが、惜しいのはストーリーがもう少し練り込まれていればなぁ、ということです。やや退屈に感じますし、会話形式のため説明不足でいまひとつ臨場感が伝わってこないということもあります。
とはいえ、作る側からの視点で言えば、プログラムは難しくないし、ストーリーが書ければなんとか作り上げられる低予算のソフトなのだと思います。このアイディアがあったか!と思いました。お値段も安い(120円)ですし、見合った価値は充分あると思います。普通に遊ぶと3日くらいでエンディングでしょうか。お暇のある方は是非どうぞ。