日記とか、工作記録とか

自分に書けることを何でも書いてゆきます。作った物、買ったもの、コンピュータ系の話題が多くなるかもしれません。

Ergo42という自作キーボードを作りました(組立編1)

前回に引き続き、今回は組み立てに注目して書いてゆきます。写真多めで長くなるので組み立て編も分割します。なお「良い組み立て例」ではないのであしからずご了承ください。エレガントな組み立て例はグーグル他で検索いただくと見つかりますので、そちらも併せてどうぞ。

届いたErgo42キット

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届いたキットはこんな感じでした。基板、アクリル板、左右をつなぐケーブル、ダイオード、スペーサー、スイッチなど。これらにキースイッチとキーキャップをお好みで買い足せば、準備OKです。

組み立てに必要なもの

組み立てには、電子工作でよく使われる基本的な工具が必要です。はんだごて、こて台、はんだのほか、ダイオードの余分な脚を切るニッパー、小さめのプラスドライバが必須です。

白光 ダイヤル式温度制御はんだこて FX600

白光 ダイヤル式温度制御はんだこて FX600

goot はんだこて台 ST-11

goot はんだこて台 ST-11

goot 電子工作用ハンダ SD-53

goot 電子工作用ハンダ SD-53

あったら良いもの

もしこの記事を読んで初めて挑戦するという方がいたら、はんだ吸い取り線も必須とお伝えしたいです。一度も失敗しなければ不要なのですが、私のような場当たり的なチャレンジャーには必要になるんじゃないかと思います。

他には小さなラジオペンチ、ピンセットもあると何かと便利です。私は持っています。

ダイオードをつける

さて、簡単そうなものからということで、基板にダイオードをつけるところから始めました。ダイオードには取り付け向きがあります。ラジオペンチで脚を曲げて、差し込んで、向きをチェックしてから固定します。私はこちらの記事を見て向きを確認しました。

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なお、ダイオードは基板の表裏のどちらにも取り付け可能なのですが、ロープロファイルで制作するときには、スイッチの脚が基板に届くよう、ダイオードが基板の厚みを増やさないようにする必要があります。このため実装面が限定(キーボードの裏側に実装する)されます。これは重要なことです(私は深く考えず2枚に基板の同じ側に実装してしまい、左手側のダイオードを全部取り外して付け直すことになりました)。

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左側がロープロファイルのスイッチ(Kailh ML)。右はCherry MX。

完成時のキーボードの裏側はこんな感じ。左手側(写真右)の基板には、壮絶な戦いの跡が生々しく残されています…… いや、遠目にはそうでもないかな?

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余談:はんだ付けした部品を取り外すときは

不幸にして、一度はんだ付けしてから間違いに気が付くことがあります。そんな場合、はんだ吸い取り線を使ってはんだを取り除きます。吸い取り線は細い銅線をより合わせたようなメッシュ構造になっていて、溶けたはんだが吸収されるようになっています。銅線とはんだを押し当ててはんだごてで溶かし、吸い取るわけです。

私の場合、吸い取り線を5cmくらいの長さでニッパーで切り、ペンチでつかんで吸い取る場所に押し当て、銅線の上からはんだごてを当てます。銅線はとても熱いので、必ずペンチでつかみます。なお、一度で全てのはんだを吸い取ることが重要です。中途半端に手を放してしまうと、基板の穴の奥にわずかに残ってしまい、銅線が届かず吸い取れなくなってしまいます。

そんな時は迎え塩ならぬ「迎えはんだ」をしましょう。つまりもう一度はんだ付けをしてから、今度こそ全部吸い取るわけです。これでまぁ、だいたいなんとかなります。今回の工作で80ヵ所くらい吸い取った末に身に着けたスキルでした。

余談:脚が折れたら

部品を取り外すときに、ダイオードの脚が折れてしまうことがありました。

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Ergo42のキットにはダイオードが少し余分に入っているのでそれを使ってもよいのですが、組み立て時にニッパーで切り取った脚がたくさんありますので、継ぎ足して動くようにすることもできます。こんな感じですね。

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Ergo42という自作キーボードを作りました(時系列編)

自作キーボード Ergo42

ここ2か月ほどの間、少しずつ自作のキーボードを作っていました。

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これまで、Raspberry piを使ってちょっとした工作をしたりはしていましたが、ちゃんとした実用品を作るのは初めてかもしれません。ざっくり完成までの流れを説明すると、Ergo42という入門(?)キットを購入して、キットに含まれていないパーツは自分好みのものを取り寄せて、それらを組み上げ、ファームウェアを書き込んでできあがり、となります。

Ergo42で検索すると、ネット上にすでに技術者目線での作成レポートを上げている方はいらっしゃるので、私はこの界隈の初心者目線で「いかに沼に足を踏み入れたか」と「好みを反映するためにしたこと」と「ぎゃぁ(失敗も楽しい)」に着目して書いていこうと思っています。長くなるので2回に分けて書きます。

ことの発端は技術書典4(2018/04/22@アキバ・スクエア@け08たのしい人生)

技術書典というイベントがあるということを4回目の開催で初めて知りました。コミケなど同人誌即売会の存在は知っていましたが、私はどちらかというと遠巻きに眺めているタイプで、自分から渦中に飛び込むことはありませんでした。しかし技術書典は技術方面限定のイベントということだったので、気持ちのハードルがぐっと下がり遊びに行くことになりました(過去ブログ)。

ここで入手した自作キーボードの本。1000円。

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キーボードにこだわりたいという思いは以前からあったけれど、HHKBみたいなギュッとしたのは正直あまり乗り気ではありませんでした。キーが少ないと、使い慣れるまでにそれだけ訓練が求められます。テンキーが分離しているほうが正確に入力できるし、InsertやDeleteキーはその他一般のキーから少し離れたところにあるほうがミスタイプしにくいと思っていました(現在も思っています)。

セキュリティに厳しい職場で働いているので、自前のデバイスを持ち込むことは許可されておらず、会社と自宅でレイアウトが違うキーを使うことになるのも負担に感じていました。だけど、でも、スイッチの指触りにこだわりたい気持ちは、とても、あるのでした。

Ergo42のキーボードキットをBOOTHで購入(2018/05/05)

そんな日々を過ごしていた私に、こんなツイートが飛び込んできました。

思えば、ここが沼の入り口だったのです。「明日から受けつける」という掲示が目に留まりました。理想と比べるとキーの数は少なくて、もやもやする気持ちはあるのですが、単純に入門として作ってみたくなりました。また、こういったところは数が決まっていてほしいときに買わないと次の機会がない(バーゲンセール理論)こともしばしばあるものです。

そんなこんなで背中を押されるようにして勢いで購入しました。9000円。キットには、基板2枚(左手用/右手用)、Pro Micro(ファームウェアを書き込むところ)2枚、ダイオード(60個くらい?)、タクトスイッチ(Pro Microのリセットボタン用)、それから基板を保護してイケてる外観にするためのアクリル板、などが含まれています。キーボードを完成するのに必要なすべてがあるわけではないので、追加の買い物をしていきます。

キースイッチの好みを探す(2018/05/25)

Ergo42のキットには、キースイッチ(個別のキーの土台の部分にあって、押されたら電気が通るスイッチ)が含まれていません。ついでにいうとキーキャップ(スイッチの上にかぶせるもので、指が触れる部分)もありません。ここは人により好みが大きく分かれるところです。Ergo42は幅広いキースイッチを分け隔てなく(たぶん)取り付けられるように設計されており、つまり「このへんは各自お好みで選んでね」という製作者の意図が現れているわけです。

1980年代のMSX2の時代からいろんなキーボードを触ってきた私ですが、なんとなく自分の好みはカチカチ音がするメカニカルスイッチだなと思っていました。今回、キースイッチの感触にこだわりたかったので、まずは9ボタンのサンプルをAmazonで購入。このときスイッチ引き抜き工具も併せて購入しました。このサンプルスイッチ、自作キーボーダーでなくても、手遊びのためにデスクサイドに置いておくのをお勧めします。ちょっとストレス発散になるかも。

入手してから、これはCherry MXという種類のスイッチだということを認識しました。「メカニカルキーボード」はどれもカチカチいうものだと思っていたのですが、必ずしもそうではないということもわかりました。メカニカルというのはバネとスイッチがキーひとつひとつについているものの総称のようです(注:そうでないものがあるのか?と思われるかもしれませんが、お求めやすい量産キーボードでは、大きな一枚のゴム膜のようなものでキーの弾力感を実装していて、バネはありません。すべてのキーを一枚の膜で面倒みたりしています。メンブレン式と呼ばれているらしいです)。カチカチ言わなくても、メカニカルキーボードと呼ぶ場合があるということですね。

購入したサンプルでは、一定の重さでスッと押せる感触(リニア)のものもあるし、私が想像していたカチカチ鳴るもの(クリッキー)とか他にもタクタイルとか、押す感触ごとに呼び名が付いています。メーカーのWebページを見にゆくと、押し込みの強さを分析したグラフも掲示されていたりします。その界隈でだけ使われる用語を覚え始めると、ますます好奇心が湧いてきたりするものです。そういうタイプの人が、沼にはまるわけですが……

Cherry MXのスイッチはカチカチいうところは気持ち良くてOKだけれど、トラベル(押し込みの深さ)が少し長く感じられました。トラベルが短いものはロープロファイル(もともとは「場所を取らない」的な意味ですが)と呼ばれているそうです。また、押し込み圧はあまり重すぎないほうが疲れなさそうだ、という感想も持ちました。Cherry社にはCherry MLというロープロファイルのキースイッチシリーズもあるのですが、この辺りになって、キースイッチはほかのメーカーも作っているのだということに気が付きました。どうやら、かつてCherry社はこのあたりで特許を持っていたらしいのですが、それが期限切れになったあと、他の会社が類似品を製造するようになっているそうです。

これらもろもろの事情を含めて、ロープロファイルのキースイッチを試してみることにしました。

ロープロファイルのキースイッチの好みを探す(2018/05/27)

キースイッチを作っている会社に、Kailh(カイラー?)社というところがあります。そもそもキースイッチを個人向けにばら売りしている、という事実も初めて知ったのですが、その界隈の人たちはアリババで買ったりするらしいです。アリババはもちろん知っていたのですが、中国の人が利用するAmazonというくらいにしか思っていませんでした。自分の手の届くところにあるものだったとは。いずれ使ってみようと思います。

ひとまず、今回は米国のNovelKeysというところで、ロープロファイルのスイッチのサンプルセットを注文しました(2018/05/27:承認05/30:出荷06/08)。 Kailh MLのサンプル8種類セット($24.89)を選びました。手元に届くまで結構時間がかかり、実際に触れたのは2週間ちょっとあとでした。想像していたとおり、ロープロファイルのほうが手が疲れないようです。カチカチいうスイッチで、比較的軽いものを選んで、Kailh ML(白軸)を採用することにしました。

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最終的な材料調達(2018/06/09)

NovelKeysから届くまでの間に少しずつ情報収集を進めると、国内でも遊舎工房というところでKailh MLとこれに適合したキーキャップを取り扱っていることを知り、今回はこちらから必要なものを購入しました。キースイッチとキーキャップはお互いに合った形状のものを選ばなけれはいけません。キースイッチ2260円/60個。キーキャップ3000円/104キーボード用。あとから追加で無地キーキャップも購入1296円/30個。これでキーボードの材料になるものはひととおりそろいました。遊舎工房さんは、注文して数日で届くのでお手軽です。

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まとめ

今回は買い物編ということで、実際の組み立て前の計画とテストと調達について書いてみました。ただ買うだけなら正直高い買い物です。でもあれこれ調べる途中で知ることとか、初めてやってみることから得られる経験は有益だし楽しいものです。ご興味を持つかたがいらっしゃったら、沼においでよ!ということで、この界隈の人たちが集まっている場所をご紹介して今回は終了です。

DiscardのSelf-Made Keyboards in Japan
discord.gg

キースイッチのサンプル

先日、技術書典4で自作キーボードに関する情報を手に入れたので、自分も試してみたくなりました。いろいろ探していたところ、こんなものを見つけたので入手しました。

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自作のキーボードを作るときには、自分好みのキースイッチ(ひとつのキーが押されたことを検出するスイッチ)と、キーキャップ(キーの指が触れる部分)を探し当てることがまず第一歩です。好みの大きく分かれる部分でもありますし、ミスタイプを減らす効果もありそうですし、カチカチ言うのが好きなひと(=私)も周りの人にうるさく思われているのではないか、と気になったりもします。ほどほどの良いものを見つけたいところです。

PCショップに行くと、キーボードが多数並んでいて試したりもできるのですが、店頭の商品はどんなスイッチが使われているのかわからないですし、店頭で触るのと自宅でリラックスして触るのとではまたちょっと印象が違ったりもします。写真の商品は、9種類のキースイッチを試すことができるサンプルセットになっていて、落ち着いて好きなだけ触ることができます。キースイッチを固定するアクリルの台座と、半透明のキーキャップがセットになっています。

セットになっているキースイッチは、この界隈では大手企業のCherry社のもので、Cherry MXという種類です。キーを押し込む距離(Travel)が比較的長い(4mm程度)タイプのキーボードで使われています。

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というわけでデスク上にこれを放置しておいて折に触れてカチカチやっていたわけですが、結論としては押し込み距離が短い(ロープロファイル)のがいいなぁと、9個もあるキースイッチのどれもイマイチ、という感想になってしまいました。Cherry社にはCherry MLというロープロファイルスイッチもありますので、そちらも試してみたいと思っています。

雑談:巻き爪ロボ

変わったものが目に留まったので…… 巻き爪修正ツールというのがあるんですね。
youtu.be

ブラTube(?)していてふと立ち止まっただけなのですが、器具で矯正しつつ、お湯につけて爪を柔らかくして、十分に巻き爪が開いたところでドライヤーで乾かすと、巻き爪が改善されるという代物だそうです。

なんといいますか、実際に使っているところを見ると確かにそれは効くだろうなぁと思うわけですが、売っているんですねこんなものも。

Winows 10でPython3とPython2を共存させる

趣味ではPythonをちょくちょく使うのですが、いつも悩むのがPython2と3の共存です。printからして2と3では書き方が違って文法エラーになりますから、いつも意識していなくてはなりません(といいつつ、実行できなくなってから気が付いたりして)。

今日もちょっと遊ぼうと思ってGoogle Search Console Appを試していたら、これ、Python2のサンプルコードなんですね。そこでこれらを共存させる方法を使うことにしました。備忘録的に書き残しておきます。

Python 2とPython 3の共存

Microsoft Windows [Version 10.0.16299.371]
(c) 2017 Microsoft Corporation. All rights reserved.

C:\Users\windv>py -3
Python 3.6.0 (v3.6.0:41df79263a11, Dec 23 2016, 08:06:12) [MSC v.1900 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> ^Z


C:\Users\windv>py -2
Python 2.7.15 (v2.7.15:ca079a3ea3, Apr 30 2018, 16:30:26) [MSC v.1500 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> ^Z

C:\Users\windv>

pipなども、py -2 -m pip ... のような書き方でそれぞれパッケージのインストール先を変えられるようです。

技術書典4、行ってきました

技術書典4というイベントが秋葉原UDXで開催されると聞いたので、行ってきました。
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技術書限定の同人誌即売会です。ヘンテコな趣味(誉め言葉)を持った人たちが集まるに違いなく、また相当混雑すると思ったので、11時開場のところ、9時半ほどに現地到着しました。しかし、すでに人が集まってきており、サークル参加の方が並び始めたところという感じでした。10時には一般参加者も行列して整理券配布、私は上記の写真の通り整理券118番をゲットしました。

私はコミケのようなマンガ・アニメ主体のイベントには行ったことがなく、運営スタッフのかたは行列の捌きに慣れているなぁという印象でみていました。運営さんの発表によれば、今回は6380人の方が来たそうです。前回の倍くらい?の参加者だったようで、大変だったでしょうね…… お疲れさまでした。

twitter.com

さて、第二陣として入場することができた私は、売り切れにがっくりすることもなく、11冊入手することに成功しました。ところで、ヘンテコな趣味(誉め言葉)をもっているだけでなく書籍を作るノウハウまで持っている皆さんはどういう修行を積んでいらっしゃるのでしょう。尊敬の念を込めていくつかご紹介します。

自作キーボード

まずその①。自作キーボードの方。帰宅してまずはこれを読みました。もちろん中身が大事ですが、キャッチーな表紙はそそられますね。装丁もデザインも商業誌のようです。歩いていて目を惹かれました。
biacco42.hatenablog.com
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Raspberry piのあれこれをちょっと作ってみたりしている私ですが、仕事はソフトウェア系なんです。しかし、ソフトウェアのなかでは低レベル処理が好きな性質なので、こういったものは心惹かれます。『自作キーボード』ってどのレベルで?という疑問が手を伸ばしたきっかけでした。読んでみると、個別のパーツ自体は入手可能なもののようです。3Dプリントとかしなくてもいいのか…… ファームウェアオープンソースを入手してカスタマイズ、のレベルで良いとか。う~ん、これはなかなか…… 手を(足を?)伸ばせば届きそうな危険な沼の予感がします。

なお、新刊(2018 APRIL)も買いました。ARMベースの自作キーボードということですが、私が手を出すならこちらのほうが簡単…… なのかなぁ。

将棋AI

その②「ディープラーニングを使った将棋AIの作り方」のかた。コンピュータ将棋選手権の放送を一日中眺めていた私は通りすがりで目に留まったこの本を買いました。2冊。
tadaoyamaoka.hatenablog.com
コンピュータ将棋界隈では、まだディープラーニングを本格的に使って大成功した例はなく、山本一成さんが試みたくらい(あとGoogleができたと主張しているものくらい)というのが私の認識です。興味を持って購入しましたが、将棋の本なのに(?)ぱらぱらめくっても文字が多く歯ごたえがありそうです。今日は精神力不足なのでゴールデンウィークくらいに第28回世界コンピュータ将棋選手権を見ながら読む…… かもしれません。

SkypeBot

その③Bot系のかた。
dakaradame.hateblo.jp

Rasiperry piでTwitter Botを作った私としては、ちょっと興味が出て買いました。会社では、どうしたわけかSkypeで…… LINEで…… という話題にはなってもTwitterで…… という話題はでないのです。なぜなんだ。みんなクローズドなコミュニケーションをしたいのでしょうか。
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内容はSkypeとAzureを使ってBotを作るもの。動き出して基本的な受け答えをするところまでの内容です。Botって、キャラに性格が感じられるところまで作りこむのをどうしたらよいのかわからず手が止まっています。プログラミングの問題じゃなくてアイディアの問題なんでしょうかね。

ほか

ほかにもいくつも買ったものがあるのですが、まだ中身を見ていないので次の機会に書くかもしれません。聞いたことのない技術的なキーワードが目に留まるこういったイベントはモチベーションがあがっていいですね!また次の機会も参加したいと思いました。

Metal Gear Survive遊びました

メタルギアシリーズはMSX2のころから遊んでいるタイトルでもあり、今回も遊びました。これまでもHIDEO KOJIMA GAMEではないタイトルは買わなかった(Acidとか)場合があるのですが、今回はどちらかというとゲームそのものというよりも、小島監督が離れたあとのスタジオがどうなってしまうのか気になって買ったようなものです。

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ネットのコメントを見ていると、アンチコナミのコメントがたくさんあふれていますが、コナミが嫌いというのは具体的には誰をどう嫌っているのでしょうね…… 現在のスタジオのメンバーだって、それぞれの生活やキャリアプランがあって残ったりしたはずで、単に監督と仲がいいからついていった、仲が悪いから残ったなどと、そんな簡単なことであるはずがないです。

週末プレイヤーなので昨日ようやくストーリーの最後まで進むことができました。少しだけプログラミングを知っている立場から、感想を書いていこうと思います。ネタバレも無いとは言えないので、まだ遊んでいない方はご注意ください。

既存の素材の流用について

素材としては、マザーベースは流用、ディーテ世界に所々現れる廃墟もMGSVに出てきたもののリメイクです。

MGSVではただの道ばたにあるオブジェクトだったポリタンクなども流用され、プレイヤーが拾う資源となっています。資源を集めてクラフトして強くなって…… というのはイマドキのゲームにはよくあるもの(自分のなかではアトリエシリーズが初出)ですが、メタルギアシリーズではこれまで本格的には採用しなかった要素だと思います。

プレイ時間が長くなりがちなのが短所ですが、Surviveではクラフト要素はそれほど複雑ではなく「素材⇒アイテム」となるだけで「素材⇒中間素材⇒アイテム」みたいなものはありませんから、すんなり楽しめました。お金を使わないと強い武器が造れず進めづらい、ということは全く無くて、この点も良心的です。

Survive、とストーリーについて

明らかに、Surviveというキーワードは、小島監督(スネーク)が不在となったあとのスタジオ(マザーベース)スタッフがどのように生き残るかということを強く意識していると感じました。

小島監督が特別なストーリーテラーですから、現在のスタジオに感動的なストーリーを求めるのは難しいのかもしれません。内容はずっとシリアスで、ハードボイルドもロマンスもこれといったものは無く、ゲームのボリューム感がさほどないこともあり、登場人物の個別の人生を語る時間がないので、ずっと暗くて必死に生き残るだけで単調に話が終わってしまった感じがあります。

舞台はGround Zerosで破壊されたマザーベースを中心に進みます。これまでのメタルギアの主要な人物は、誰も残っていません。導入部分でネイキッドスネークが少しでてきたくらいで、基本的に置いていかれた兵士たちだけで話が進んでいきます。このことも、これまでのメタルギアシリーズとは一線を画しているところです。スタジオの主要メンバーもいなくなってしまったのですから、無理もないことと思いますが…… これも、残された人たちが、自分たちにできることを模索した結果なのだと思います。

ただ、物語というのが「登場人物ができごとを通して変わっていくさま」を表現するものだとすると、今回のストーリーで変わっていく、成長していく人物は、果たしていたのかいなかったのか…… 登場人物が現在のスタジオのメンバーを映すものなのだとすると、なおさら残念なところです。小島監督が某所で自分ならゾンビは出さないと発言されましたけど、プレイヤーの対極にある悪役が感情に乏しい「ただのクリーチャー」なので、これがなおさら物語を薄くしている(彼らが何と対峙しているのかわからなくしている)、ということもあると思います。

#Peace Walkerみたいに「ファイヤー!(解雇)」しないところは、現在のスタジオの方針を表している? のでしょうか……

ゲームバランスについて

プレイヤーが気にしなくてはいけないことは、たくさんあります。飢えと渇き(しかも結構すぐに腹が減る)、そして呼吸(酸素)。

素材からクラフトしないといけないので銃をバンバン撃てないし、手持ちの武器もなんだか頼りないし…… 敵の後ろから近づくステルス要素も、クリーチャーがわらわらいるところではあまり役に立ちません。プレイヤーが隠れる物陰もほとんどありませんし、ダンボールをかぶることも実装しないことにしたようです。クリーチャーは良くも悪くも統制が取れていないので(途中で語られる設定と矛盾するような?)、これまでのように歩哨の動きを見抜いて先回りする、なんていう遊び方もありません。

そもそもディーテ世界の霧の中では常に時間に追われているので、相手の動きを冷静に見極める、などという年寄りじみた遊び方には向きません。どちらかというとザコには見つかってもいいからさっさと振り切って進む感じです。主要なザコ敵であるワンダラーは、単体ではプレイヤーよりかなり弱く、走れば振り切れる、うっとおしいだけの障害物です。

Fox Engineはグラフィックスがリアルで美しい一方で、(メモリの制限から)たくさんのクリーチャーをわらわら動かすようなゲームには、本来は向いていないのだろうと思います。Surviveをゲームとして成立させるために、敵の種類をギリギリまで減らし、車輌もヘリも無くし、廃墟ではオブジェクトも減らし、霧を深くしたことで遠くを描画する必要を無くし、霧の中では天候もなくし昼夜だけにして…… このあたりに「ありもので何とか生き残る」スタッフの苦労を想像しました。

でも、完成させるために「何を捨ててあきらめるか」はきわめて重要です。プロジェクトの失敗は、完璧を求めてできないことまで欲張ることで起こるのだと思います。マネジメントしていたのはどなたなのかな(是角Pなのかな)。苦労が偲ばれます。

チュートリアルではウォーカーギアだけでなく車輌にも乗れるような記載があるのに結局最後まで乗った覚えがないな…… どこかにあるのでしょうか。

今後の展開について

ストーリー的には、続編に向けた伏線のようなものは感じませんでした(追記:そういえば、結局キャプテンのあの腕はなんだったの?)。Survive単体としては、やりこみ要素を追加していくようなことがあるのかな? でもビジネスモデル的にただ要素を追加するのは厳しそうに見えます。有料のDLCなら別ですけど、サイドストーリーも作りづらい構成ですし、武器の種類を増やしても敵の種類が増えないのだとすると、どうなんでしょうね。

現在のスタジオ(今更ですけど、スタジオの名称は公表されないのでしょうか)の成長が見られるような何かを期待したいと思います。